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二宮「ハリウッド行きたいね」「硫黄島」戦果は「自信」…9日公開直前インタビューで手応え語った ●
二宮「ハリウッド行きたいね」「硫黄島」戦果は「自信」…9日公開直前インタビューで手応え語った
人気グループ「嵐」の二宮和也(23)が出演したハリウッド映画「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)が9日、封切られる。巨匠の演出に引き出された日本兵役の二宮の熱演は、オスカー候補の声も上がっているほどだ。このほどインタビューに応じ「自分の頑張りを褒めてあげたい」と、なかなか満足しない男が、珍しく自信の表情をのぞかせた。
「1時間も掘っている」「暑い」…。二宮演じる日本兵・西郷が穴を掘る冒頭シーン。撮影の本番だろうとイーストウッド監督は、英語で畳み掛けるように話しかけてくる。これが巨匠の独特の演出法だった。
まるで催眠術。「そりゃ疲れる、汗も出るよ、と感情がどんどん動いた。歩かされて『爆弾が落ちてくる、1、2、3ドン』の声で反応したり。心を流動的に保て、すごくしっくりきた」
身ごもった妻を残し、戦地へ赴く若き兵隊。オーディションでこの役をものにし、ハリウッドデビューを決めた。二宮をいちばん推したのがイーストウッド監督だ。台本にないことを提案すれば「ニノ、グッドアイデアだ」と、全面採用に。優しき巨匠に、「最後まで味方でいてくれた」と感謝の気持ちは尽きない。
二宮の役づくりは変わっている。多数の映画やドラマに出てきたが「家で台本を開いたことも、一人で役づくりをしたこともない」という。今回も、ロスの空港で台本を受け取った。「役の西郷だって何も知らずに戦地へ行った。共演者と向き合って初めて出てくる感情がある」という。ロスでの1か月半の撮影は、9割が砂漠ロケ。ひょうが降る寒さ、泥まみれにも耐えた。
今回の共演者が「一番の収穫」という。渡辺謙、伊原剛志、中村獅童、加瀬亮。「彼らだから響いたものがあり、お返しとなる演技ができた」と振り返る。試写を見た人から称賛が相次ぐ。めったなことでは手応えを口にしない二宮だが、今回ばかりは別のよう。
「その頑張りは、自分で褒めてあげたい。芝居の評価が悪くても名誉なこと。ただ、褒められると恥ずかしくなっちゃう」と笑った。
米国公開が12月20日に繰り上がり、来年2月のアカデミー賞のノミネート対象作品になった。助演男優賞候補の声も上がるほど評価が高い。今後はハリウッドからの出演オファーの急増も予想される。「行きたいね、ハリウッド」。つぶやいた言葉は力がこもって聞こえた。
◆硫黄島からの手紙 太平洋戦争末期の硫黄島での戦いを日本側の視点から描く。米国側から描いた「父親たちの星条旗」(日米公開中)との2部作で、ともにイーストウッド監督。
◆二宮 和也(にのみや・かずなり)1983年6月17日、東京都生まれ。23歳。96年にジャニーズ事務所入りし、99年に5人組グループ「嵐」結成、シングル「A・RA・SHI」でデビュー。03年の映画「青の炎」に単独初主演。アニメ「鉄コン筋クリート」(12月23日公開)で声優初挑戦。60年代の日本を舞台にした嵐主演映画「黄色い涙」(犬童一心監督、来春公開予定)では漫画家志望の若者を演じる。
2006年12月1日06時01分 スポーツ報知